こんにちはスパ二郎です。
今回はPE(Professional Engineer)の2次試験であるPE試験(Principles and Practice of Engineering)の合格に向けたアプローチについて書きます。
1次試験はFE試験(Fundamentals of Engineering)ですので、この記事をよんている人はFE試験に合格した人が多いと思いますが、これからFE試験を受けるって人も役立つ情報です。
一般的にPEはProfessional Engineerとして表されますが、本文においては、試験(Exam)を表すPrinciples and Practice of Engineeringと混在しないようにしてください。
尚、本記事ではMechanical(Thermal and Fluids systems)における体験談をベースに書きます。
一次試験であるFE試験に合格したのですが、二次試験のPE試験って難しいんですか?
FE試験がハーフマラソンとすると、PE試験はフルマラソンって感じです。
戦略さえ立てれば絶対に合格(完走)できます!
是非、こんな人にこの記事を読んで欲しい!
・FE試験に合格した人
・PEに興味がある人
・機械系(特に、熱・流体・伝熱)を専攻としていた人
・名刺にPEのタイトルを入れたい人(箔がつきます)
FE試験(一次試験)とPE試験(二次試験)の違い
まずはFE試験とPE試験の違いを比べてみましょう。
またPE試験は対象の試験によって年中受験できるタイプ(Year Round)、及び年一回のみ(Single day)のタイプがあるので、専攻分野の試験がどっちかは確認しましょう。
FE | PE (Year-Round) | PE (Single day) | |
試験時間 | 5時間20分 | 8時間 | 8時間30分 |
問題数 | 110問 | 80問 | 85問 |
試験方式 | コンピュータ | コンピュータ | コンピュータ |
試験時期 | 年中可 | 年中可 | 年1回(毎年10月) |
休憩時間 | 20分 | 50分 | 50分 |
試験費用 | $175 | $375 | $375 |
参考書 | 持ち込み不可 | 持ち込み不可 | 持ち込み不可 |
FEの場合、1問あたり約3分で解かなくてはなりませんが、PE試験の場合は1問あたり6分です。
ここ数年、PE試験はコンピュータ(Computer Based Testing)形式への移行が進み、筆記(Pencil and Paper)形式の試験は殆ど残っていません。
筆記形式の試験となるのは現在Structural engineeringのみです。しかし、これも2024年ごろにはコンピュータ形式に移行する予定です。
現時点(2022年)で年中(Year Round)及び年一回(Single day)の試験の区分けは以下です。
Year Roundの注意点としては、不合格だった場合の再試験のタイミングです。
同年に受験できるのは最高4回で、1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月の3ヶ月毎に1回受験できます。
FE試験に関しての詳細はこちらを参照ください!
PE試験のルール
それでは試験のルールについてです。
試験勉強も大切ですが、ルールを確りと理解して試験に挑まないと、当日思わぬミスで試験を受けれなかったり、試験を最高のコンディションで受ける事ができなくなります。
ルールを制する者は試験を制する!試験以外の不安要素は完全に取り除いて試験に臨みましょう!
数日前に試験会場まで足を運び、道順、駐車場、会場入り口、などの動線を確認しておくと、当日のストレスはかなり軽減します。
持ち物
CBT形式の試験において、当日必ず必要な持ち物は以下です。
- 受験票
- 身分証明書(運転免許証、またはパスポート)
- 指定の電卓(ケースは外した状態)
- 参考書(Peper形式の場合)
*電卓は、Casio製のfx-115 または fx-991タイプのモデル、Hewlett Packard製のHP 33sまたはHP 35s モデル、Texas Instruments製のTI-30XまたはTI-36X、です。
年度毎で使用できる電卓のモデルが変わる可能性があるので、NCEESのHPを確認しましょう。
当日の試験室に持ち込める持ち物は以下です。
- 身分証明書
- 計算機(カバーは含まない)
- ロッカーの鍵(受付後に持込めない荷物をロッカーに預けます)
- 計算用のプラスチック製bookletとボールペン(テストセンターから支給されます)
- メガネ(ケース無し)
- 上着(体温調整用)
また以下は、補助アイテムとして許可されている持ち物(Approve Comfort Item)です。こちらに関しては試験室入室前に目視検査があります。
- 遮音用の耳栓、ヘッドフォン(テストセンターから支給されます)
- ティッシュ(テストセンターから支給されます)
- 目薬
- 補聴器
- 車椅子等の乗り物
- 首、背中、膝などの装具
上記に無いその他のアイテムは、事前にテストセンターに問い合わせて確認しましょう。
ロッカーは思ったより小さいので、当日はできるだけ少ない荷物でいきましょう。貴重品と休憩中に食べる飲み物や軽食くらいを持っていくイメージでOKです。
試験の流れ
試験会場、試験日および試験時間に間違えがないか確認しましょう。
NCEESのManage Appointmentsで確認する事ができます。
可能であれば、前日に会場近くのホテルに前泊して、宿泊先から会場までの道のりを確認しておくと当日のストレスを軽減できるよ。
車で向かう場合は前日までに道のりや駐車場の場所を確認しておくといいわね。
予約した時間の約30分前くらいに到着するくらいの余裕を持って行動しましょう。
可能であれば受付をする前にお手洗いを済ませておきましょう。
フロントで受付を済ませます。
受験する試験の内容やIDの確認をします。
指紋を採取し、写真を撮影して、ロッカーに手荷物を預けたら受付は終了です。
この時点で手元にある所有品は、基本的には身分証明書と計算機とロッカーの鍵のみ(+ 補助アイテム)です。
スマホなどの電子機器は電源を切るか機内モードにしてロッカーに預けましょう。
試験室まで案内されるので、指示通りに動きましょう。試験室の前まで案内されたら、再度、本人確認や持ち物の確認を行います。
不正行為を防ぐためにもボディーチェックが行われ、問題なければ入室を許可されます。
計算用のBookletとマジックペンを渡れ、休憩時の退出方法などの説明を受けます。
席まで案内されたらパソコンにログインします。
はじめは試験のインストラクションが流れるので、それが終わったら試験開始です。
机には遮音用のヘッドフォンがあるけど、耳にヘッドフォンを長時間つけていると耳が痛くなるので音が気にならない人はつけなくもOKです。
トイレや水分補給をしたくなったら席を立たずに、まずは手を上げて試験官が来るまで待ちましょう。試験時間をストップしてくれます。
IDを持って静かに席を立ちましょう。
入室の際は再度ボディーチェックやID の確認があります。
計算用のBookletも、書くスペースが無くなったら新しいものを支給してくれるので、同様に静かに手を上げましょう。
全体の流れは動画でも確認できます。
勉強方法
それではPE試験の必勝方法をお伝えします。
結論から言うと、できるだけ沢山の問題を解く事です。
沢山問題を解くことで、頻繁に出てくる英単語に慣れることができ、問題の意図も理解できるようになります。
ただし、以下3点を意識することが重要です。
- 公式の暗記
- US⇄SI系単位の換算
- Reference Bookの使いこなし
公式の暗記
PE試験はFE試験に比べて1問あたりの時間は長いですが、その分問題が難しくなっています。
なので可能な限り、解答に必要な公式は暗記して、問題を解く時間をセーブしておきましょう!
勿論、全部を暗記する必要はありません。
使用頻度の低い難しい公式などはReference Bookを確認しないといけない時もあるので、その場合はどこに記載されているかをなんとなく覚えておきましょう。
ではどのように暗記するか?
ポイントは頭で覚えるのでなく、身体で覚えてましょう!
スポーツで例えるなら、筋トレです。
スポーツの種目によって使う筋力は違いますが、いざ本番というシーンで100%の実力を発揮するにはその日に向けて日々、筋肉を鍛えてあげなければなりません。
PEも受ける試験によって使う公式が違いますよね。
本番で短時間で問題を解く時には、考えずにパッと公式をスラスラと書き落とす事が重要です。
そう、考えている暇はないのです!
勉強時間が1日2時間あったとしましょう。公式をひたすら、頭を使わずに紙に書き落として手に覚えさせるトレーニングは15〜20分くらいは必要です。
問題を沢山解くのも大切ですが、公式を覚える(身体で覚える)ことも同じくらい大切です。
泥臭いですが、8時間の試験を戦い抜くには、考えなくて良いところでは考えずに、考えるべき時に考える、といった戦略が有効です。地道に頑張りましょう。
英文の意図が分からなくても、与えられた値から関係しそうな公式を幾つか書き落とす事で答えを導き出す事もできるね。
単位の換算
PE試験がFE試験よりUS単位での出題が多いです。
そのため、問題にSI単位とUS単位が混在している場合には、US⇄SIの換算が必要です。
また、US単位の場合、同じ次元の単位でも複数の単位が存在します。
例えば、長さ。
SI単位だとメートル(m)だけですが、US単位だとフィート(ft)インチ(inch)、ヤード(yard)、マイル(mile)があります。
正直、イライラしますよね!でもしょうがないので慣れましょう!
NCEESでオープンになっている、Sample examのNo.21を解答例を挙げます。
上記は与えられた流量(25gal/min)、圧力(25psi)からポンプの出力(hp)を計算する問題です。
問題から得た数値を公式に代入して解くのですが、単位系を変換しないとそまま公式当てはめるて解く事はできないので、以下の通り計算しましょう。
・ガロンは体積なので、gal→ ft3に変換しましょう。
・圧力(psi)は単位面積(inch2)の荷重(lbf)なので、こちらもlbf/inch2 → lbf/ft2に変換しましょう。
・時間の単位も分(min)→秒(sec)に変換しましょう。
ここでのポイントは1 ft = 12 inchがパッと瞬時に出てくるかです。面積の場合は1 ft2 = 144 inch2です。
こんな感じで、いろんなパターンの単位換算を覚えていきましょう!
以下は、PE Mechanical Reference Handbook 単位換算表1/2です。
以下は、PE Mechanical Reference Handbook 単位換算表2/2です。
Reference Bookの使いこなし
ペーパー試験の時は持ち込める参考書は無限と言って良いほど、なんでも持ち込めました。
しかしコンピュータ試験に移行してからは、試験中に参照できるのはReference Handbooksのみです。
つまり、普段の試験勉強の時から、Reference Handbooksを使い慣れてないと試験では効率よく問題を解く事ができません!
Reference HandbooksはNCEESのダッシュボード右のUseful Document欄から参照する事ができます。
Reference Handbooksの主な用途としては、公式の確認もありますが、参照できる数値データもそこには沢山記載されています。
出題される問題としても、Reference Handbooksから必要なデータを参照してね、という感じです。
なので、その必要なデータを、如何に正確に速く参照できるかがポイントとなります。
例えば、蒸気タービンが問題に出題されて、過熱状態における蒸気のエントロピーが必要になった時、どうやって参照しますか?
ポイントは検索するキーワード(英語)を普段から使って覚えておきましょう。
この場合、「Superheated steam」と検索欄に打ち込めばすぐに欲しいデータを得る事ができます。
普段から慣れておく事で、試験中は焦らずに済むね!
おすすめ参考書
PEの試験勉強におすすめな参考書を紹介します。
Slay the P.E.
オンライン教材ですが、MechanicalのThermal & Fluids systemで受験する予定の人は、こちらがおすすめです。(残念ながら、HVAC&RefrigerationおよびMachine Design&Materialsの教材は未完成:2022時点)
NCEESやPPI社が出版している公式問題集に比べて演習問題の数がかなり多く、根本的なところまで解りやすく細かくイラスト付きで説明してくれています。
形式:オンラインe-Book(オフライン時用にダウンロードも可能)
言語:英語
演習問題数:300問以上
アクセス期間:210日(約7ヶ月)
値段:$175(別購入の場合:問題集$159、解答集$59)
その他:各章毎に基礎及び例題の解説があり(イラスト付き)
それでは以下、例題と解答例です。
コンプレッサーの効率を計算する問題です。
どうやって解くかを、以下の通り説明してくれます。
まずは上記で、解答に必要な公式を見つけます。
その公式に代入するための数値をどのように導くかを、更に説明してくれています。
最後に
最後にまとめです!
- 一部を除き殆どのPE試験はCBT(コンピューター試験)で、年中(年4)受験可能
- ルールを把握し、当日のイメージトレーニングを行う事でリラックス状態を作る
- 主な持ち物は、受講票、身分証明書、指定の電卓のみ
- 試験中に参照できるのはReference Handbook
- 公式や単位換算は暗記しておく事
- 普段の勉強からReference Handbookを使い慣れておく事
- 試験勉強はとにかく数をこなして解きまくる!
以上、PE合格に向けて頑張ってください!!!!
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